中山マコトコピーライティング起業術
■開店時間も強力な武器!
東京は高田馬場にある、とん久。
とんかつの名店で、僕の書いた、
”ありがとうの育て方。”
にも、そのキャベツのエピソードは紹介されています。
この店、キャベツ以外にも、素晴らしい着想と接遇が溢れる店なんですが、
実は店の外にもそのアイディアがありました。
それは・・・
開店時間。
ここ、高田馬場です。日本でも有数の学生街。
でもね、ビジネス街としての貌ももちろんある。
特に駅前はいつもビジネスで訪れる人で賑わっています。
オフィスも沢山あります。
でね、このとん久・・・・
開店時間がなんと!!!
11時20分なんです。
ビルの前にある看板に、ハッキリと”11時20分~”と書いてある。
そう、周囲の店の殆(ほとん)どが11時半を開店時間にしてるところ、
この店だけ11時20分。
同じテナントビルの中でも、唯一、11時20分。
これ・・・めちゃめちゃ賢いです。
つまり、他の店と同じ、11時半にすると、もちろんバッティングもするし、
みんながライバルになります。
でも、一軒だけ11時20分と、たった10分だけズラすことで、
ライバルがいなくなる。
少なくとも、そろそろお昼にしようか?と思って、11時半を目指せば、
どこの店もどっと客が押し寄せる。
まさに難民が溢れます。
仮に大切な取り引き先などを伴ってランチに行く場合、
難民のように彷徨いたくはないんです、誰も。
そんな”ここぞ”と言う人に対し、この店はやさしく店を開けて待っている。
まさに救いの神なわけです。
この10分間の差を、
”自分の店だけ、独占的に客を取ろうとしている・・・」
と見るか、
”さまよえる難民を救おうとする配慮、近所のビジネスマンへの配慮”
と見るか。
それは人それぞれだし、それぞれであって良いと思います。
でも、この店のこの発想に救われている人、沢山いるだろうし、
『困ったらとん久』
と思ってる人、沢山いると思います。
不況だ!儲からない!と騒ぐ前に、出来る工夫、やれる努力・・・
一杯あります。
そうでなければ、あのキャベツのエピソードみたいな素晴らしいアイディア、
出せるはずがないんです。
(キャベツのエピソード、知りたかったら、”ありがとうの育て方。”を読んでね)
特に飲食は立地ビジネスと呼ばれ、立地がすごく重要であるかのように言われます。
大事ですよ、もちろん、立地はね。
でも、他にも大事なものは沢山ある。
それをリカバーする事こそが智恵です。
立地と言う言葉は、
”地元を立てる!”
と書きます。
地元に暮らす人、訪れる人。
そこに目を向けているからこそ、とん久は名店でいられるのだと思うんですよ。