中山マコトコピーライティング起業術
■スケジュール管理はするな!
実に優秀で良く出来たスケジュール管理ソフトが、沢山出回っている。
年末、書店を訪れれば手帖コーナーには沢山の人が群がっている。
みんなスケジュール管理が大好きなんだな~と痛感する。
だが、ちょっと待って!と言いたい。
スケジュールとは、一体何を目的として管理するのだろうか?
空白を埋めるためにスケジュールを管理するのはまさに本末転倒。
どうしてか?と言うと、“埋めると身動きが取れなくなるから・・・”。
スケジュールと言うのは食事と同じ、別腹(べつばら)が重要。
一切の余裕が無いくらいの満腹状態まで食べてしまうと、
せっかく素敵なデザートを提示されても食べる事が出来ない。
仮に無理をして食べたとしても、それでは本当のおいしさは味わえないし、
悔しさだけが残る。
僕はスケジュール管理に関して、
“腹八分目”ならぬ、“時間八分目”と言っている。
スケジュールをガチガチに管理し、ビッシリと埋め込んでしまうと、
新たに起こる新しい出会いを巨費する事になる。
実際にスケジュールを埋めることに汲々とし、
結果、肝心な時に身動きが取れず、とても重要な出会いをフイにしたり、
大事な仕事のチャンスをフイにした人を沢山目にして来た。
折角、素晴らしい出会いの種を持って来てくれた人がいても、
それを受け入れられないのでは。何が人脈だ!と言う事になる。
素晴らしい出会いは突然やって来る。
それもまったく予告無しに・・・。
僕が敬愛して止まない、
麹町のオヤジと呼ばせていただいている大先輩の経営者とのお付き合いなどは、
まさにこの“突然の出会い”の連続だった。
ある日突然電話がかかってくる。それも早朝、出勤前の自宅に・・・。
「これから会えるかい?」大体の第一声はいつもこれ。
僕は必ず、内容も聞かずに「OKです!」と答える。
彼が決して曖昧な要件で電話をかけてくる事が無いと分かっているからだ。
そして新たな仕事を紹介され、新たな人を紹介され、
業績をグングン伸ばして行った。
たった数年で、それまで2億と少しだった会社の売り上げを、
4倍近い8億まで伸ばしたのもこの空白のスケジュールのおかげだった。
もしあの頃、僕がガチガチにスケジュールを管理し、
空白の一切無い手帖を持っていたとしたどうだっただろうか?
麹町のオヤジはもちろん僕を重用してくれる事はなかっただろうし、
一度多忙を理由に断れば二度と声がかかる事は無かったのでは無いだろうか?
スケジュールに空白があると不安だ。
自分だけが取り残されたような気分になる。
それも決して分からなくは無い。
が、逆に、ガチガチに埋まったスケジュールには、
“遊び”とか“アイドリング”が無い。
余裕が無いから動けない!
そんな状態になりかねない。
だから、スケジュールには出来るだけ遊び=空白
を持って欲しいのだ。