中山マコトコピーライティング起業術

■お引っ越しに込めた祈り!

僕の著書、
“ありがとうの育て方”に何度も登場する、新宿は歌舞伎町の名店
、”居酒屋樽一”。

この店の、またまたすんごいエピソードを聞いてください。

この店、歌舞伎町一等地のビル、5階にあります。

立地はよいし、分かりやすいし、常連客も沢山着いている。

何の問題もありません。

が、樽一のオーナー、慎太郎氏は、ある決断をしました。

その決断とは・・・

そう、移転です。

引っ越すんです。

その理由を聞いて僕は、またまた度肝を抜かれ、唖然としました。

この店、何度も書いているように、
宮城県塩竃(しおがま)」の銘酒、浦霞をメインに扱う店。

あまりにも浦霞を売るので、
浦霞の酒蔵佐浦が、樽一専用に”金ラベル”と言う酒を造ったのは、
有名な話しです。

料理も三陸の山海の珍味を中心に、名物の鯨料理など、
ほとんどが三陸(東北)由来のものばかり。

従って東北への関心は並々ならないモノがあるし、
言い換えれば”東北の店”のつもりでいます。

が、一昨年の3月。

あの不幸な震災がこの国を襲いました。

そして同胞達の、多くの命、未来、暮らしが奪われました。

ここで震災を恨んでも仕方の無いことですが、
慎太郎氏の胸に去来したのは、ある思いでした。

彼はある事を調べました。

そして、結論を出しました。

「このビルでは、関東付近に大きな地震が来たら、
お客さんの命を守ることが出来ない!」

そう、このビル。
老朽化していて、耐震性も脆弱なんです。

だからここにいてはいけない!今の好調に甘えて、
この状態を放置してはいけない。

彼はこう考えました。

安定し、慣れ親しんだ人が多く通ってくれる地を離れるのは、
ものすごいリスクです。

ヘタをすると店の存続に関わる事。

でも彼は、お客さんの安心・安全を選び取り、
耐震性の高い、新築のビルへの移転を決めました。

引っ越しにはもちろんお金もかかります。

数日の間だけとは言え、営業できない日も出ます。

何より、来てくれていたお客さんが去ってしまうかもしれない。

この恐怖、リスクはいかばかりでしょうか?

でも彼はそう決断しました。

先代、父の代から40年にわたって住まい続けてきた場を離れ、
新天地に移ることにした。

すべては、万一の時、お客さんの命を守るため。

その一点です。

幸い、同じ歌舞伎町の一角に、条件にかなう物件が見つかり、
移転先となりました。

この新たな大家さんとのやりとりにも、
とてもグッと来てしまう物語があるのですが、
それは明日のこのメルマガで披露します。

いずれにしろ、彼は、お客さんの安全を守ると言う、その思い一点で、
不測の事態、来ないかもしれない、来ない方がよい、
そんな”仮の話し”と向き合い、リスクをテイクし、そして実行した。

本当に頭が下がります。

41才と言う若さで、この決断をする。

大したものだと思います。

万一の場合に備え、あるか無いかも分からない”まさか”に備え、
大きなリスクを背負って移転をする。

この勇気と決断、今のこの国に最も必要とされているモノなんじゃないかな?
と思います。

さて、あなたはこの物語から、何を想起しますか?

自分自身のビジネスに対し、どう活かす事が出来るでしょうか?

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